3日目。3泊のパックツアーがとれなくて2泊+一泊オプションという形にしたため、今日から別のホテルです。お世話になったラティーダ西表を出て、いろいろと遊びながら次のホテルに向かいます。当初の予定通りレンタカーを借りて海岸沿いを一路北へ。
途中気になるところで止まって写真を撮ったりしながらゆっくりと歩を進め、マングローブが広がる大きな入り江につきました。ここはカヌーの名所で、川をさかのぼっているとピナイサーラという有名な滝にいけるのですが、僕等はまだ未体験です。今日も特にツアー等の申し込みもしておらず、ひたすら干潟を踏破。つうか仕事でも無いのに夏の炎天下の干潟をひたすら歩くって、やっぱり変わり者なんだと思います。でも僕と妻は二人ともそれで楽しくて、それはやはり幸せなことなのだと噛み締めたりします。
さて干潟を過ぎて次は星砂海岸という浜へ。ここは、いわゆる「星の砂」で海岸ができているということで観光地として結構有名どころで、西表の観光バスが必ず寄るところのひとつです。でも僕等がここに来たのはそんな理由じゃなくて、ここは海岸から程近いところに生きたサンゴがごろごろしている、陸からエントリーできる西表の海岸の中では屈指のシュノーケルポイントなんです。
さっそく二人でちょろちょろと泳ぎます。っていうか僕の目的は写真。今回もってきていたデジカメハウジングを最大限に生かせる場所はここのはず。ってことで最初は調子よく撮っていたんですが、ふと気づくとレンズの部分が曇っています。どうやら水温が急激に変わると曇ってしまうらしく、こうなると一度ハウジングを開けないと曇りはなかなかとれないのですが、その時点で陸を結構離れていたのでそれもできず、結局撮った写真の半分以上がデフォルトでソフトフォーカスがかかった写真になってしまいました。残念。
さてひとしきりシュノーケリングを楽しんだ後、星砂海岸をあとにしようとしていると「こんにちは、昨日はお疲れ様でした」と声をかけられました。二日目のシュノーケリングでご一緒した方のようです。向こうが僕を覚えていたことに少し驚きましたが、どうやら妻は妻でその連れの人から挨拶されたそうで、シュノーケリング参加者の中でも、僕等夫婦を覚えてくれていたようでした。妻とも話したのですが、たぶん同じ種類の人種なんではないか、と先方も感じていたのかな、と思います。実際僕等も彼等の顔、覚えていたわけだし。なんだか嬉しくてホクホクしながらホテルへの帰途に着きました。
いいことは続くものです。ホテルに向かい始めたころにスコールが降ってきたのですが、それがきっかけとなってか、セマルハコガメ(天然記念物、西表島固有種の陸ガメ)が道路に這い出して来ていたのです。西表島が「島の動物」として前面に出している種としては、イリオモテヤマネコ、カンムリワシ、そしてこのセマルハコガメがありますが、これまで何回訪れても見ることができていませんでした。今回やっと生きている個体を見ることができて、これで西表の珍しい動物をだいたい網羅できたようです。
さて今日のホテルですが、これがまた完全なリゾートホテル。ホテルマンたちの対応や食事やサービスがちゃんとリゾート地のそれ。西表という土地を新しいリゾートのブランドにしようとする気合が感じられます。
ここには温泉が併設されていて、露天風呂は水着着用で混浴です。僕としては妻と入れるってことだけでもとても嬉しいのですが、さらに嬉しいことに、まわりが天然のジャングルなんです。ずっと何かの鳴き声がしていて、珍しい動物を見れることがあります。今日は夕方アカショウビン(カワセミの類の赤い鳥)を見て、夜にまた行くと今度はフクロウの類が飛んできていました。街灯に集まる虫を狙っているのかもしれません。そう考えるとやはり自然に影響を与えてるという意味であまり良くないのですが、へたれな僕等は珍しい動物が見れると嬉しいのです。
西表にこういう施設が必要かどうか、というのはとても難しい問題なのだと思いますが、やはり目の前で希少な動物達を見れることを喜んでしまいます。ほんとはもっとバランスを大事にしなければいけないですね。
このホテルは屋上を開放していて、夜に屋上に行ってみました。まさに満点の星空と言っていい趣で、都会の何倍、何百倍もの星が一度に見えて、空がまるで点描を打ったかのようでした。またこの星空を見たいな、と思いました。