三日目

習慣づいて早く目が覚めるようになってしまって、この日も起きたらまだ早朝だったので、西桟橋まで気軽に散歩して、セルフタイマーで自撮りを試してみたけどやはり自分を写すというのには慣れず、ボツへ。

今日は散策日と決めていたので、宿に戻って準備をして出発。

まずは港の方に向かって、外周道路と交わるところから集落を囲んでいる道路にはいりました。

ここを途中で曲がって細い道に入り、そのまま海側に行くと、更に外側の道路に出ます。今確認したところ、こういう道はGoogle Mapには乗らないんですね。

道路を横切ってさらに海岸のほうに向かうと、そこにも砂浜があって、そこからは港が見えます。

ここはあまり綺麗な砂浜ではないですがあまり人が来ないようで、1人でぼーっとするにはいいところかもしれません。

さて道路に戻って南に下っていくと、安里屋クヤマの墓があります。

安里屋クヤマ自体は僕はそれほど知らないんですが、ここは海に向かって下っていく道が撮れる自分的名所で、竹富島を訪れたらなるべく行くようにしています。

ここで昨日お世話になった「たるりや」のご主人が犬の散歩をしているのに出会いました。

僕は昨日のハンバーグが美味しかったのでついテンション上がって

「たるりやのご主人さんですよね?!」

と声をかけてしまったんですが、当然ながらいち客の顔とか憶えているはずもなく、怪訝そうな顔で

「だけど?!!!」(沖縄的表現で「そうだけど何か用?」という意味が集約されている)

と返ってきました。

「あ、あの、昨日お食事でお世話になった者です…」

とかろうじて返すと、

「そりゃどうもね!」

と、しかめっつらのまま去って行かれました。そりゃそうだよね。みんな気軽に話せる友達のような気持ちになる南の島テンションよくない。

その後西桟橋へ。

西桟橋で写真を撮っていると桟橋の先頭にちょうど若い女性お二人になった瞬間があり、ここだ!と思い切ってお声がけして、写真を撮らせていただきました。

記念すべき、見知らぬ人に自分で声をかけて撮らせてもらった最初の一枚です。

続いてコンドイビーチ。

ここでも九州から来た二人組が楽しそうに会話してて、九州弁はやはりとっつきやすくて気軽に話しかけたらこちらもお写真撮らせていただけました。しかもノリノリで。

一度戻ってガーデンあさひで昼食を取り、次はカイジ浜へ。

まずは駐輪場のガジュマルに目を奪われました。

結構いい大きさで形もきれいなガジュマルさんです。

そして浜に入って少し右の方に行くとコンドイビーチが見えます。これがなかなかいい景色。

この日にチェックアウトした絵を描くのが好きなお客さんがいたのですが、その方にどこかいいとこありました?と聞いて教えてもらった風景です。

さて次はアイヤル浜を目指します。

カイジ浜を出て集落を囲んだ道路に沿って移動して、集落の東のはずれのあたりで細い道に入ってあとは東にひたすらまっすぐ。

細い道に入ってから1.5kmほど進むのですが、この道は舗装されておらず細かい凹凸のある硬い状態で固まっていて、自転車で走っているとそのガタガタが大変です。でもここは別名蝶の道と呼ばれるほど蝶が多いところらしく、いい季節に訪れれば蝶が乱れ飛ぶ様子を見ることができそうです。

そしてこの道は星のや竹富島への入り口があるところでもあります。何を思ってこんなに不便な外れに建てたのか。何らかの事情か、コンセプトか、よくわかりませんけど、ここにあることで宿泊客の観光の自由はかなり制限されるので、場所としては結構最悪です。唯一アイヤル浜には一番近いですが…。

もしかしてそれを感じさせないくらい上げ膳据え膳で全てをプロデュースしてくれるのか。でもそうなると竹富島でなくてもよくない?という気もします。中に擬似集落を作ってるという点もなんだか微妙なような…。

さてアイヤル浜について見ると誰も居ないうえに曇ってきてて天気もいまひとつ。なんかやることないなーと思っていたらちょうど人が来て、お願いして撮らせていただきました。

このあと待ってても天気も回復しなかったのでこの辺で切り上げて、一旦宿に戻りました。

宿で時間を潰していたら恒例の夕焼けコンドイビーチの時間になり、今日からの宿泊客の方とご一緒することに。

この日、僕以外のお客さんは全員チェックアウトして新しい方々になるのはわかっていて、慣れ親しんだ方々がいなくなってしまうのが心配だったのですが今日からのお客さんはどうやら全員女性で、ひとりぼっち決定な感じです。

でも行きの車で少し話をして緊張も解けて、コンドイビーチではモデルになってもらうことができました。

この日僕はタイムラプスを日が暮れてしまうまで撮りたかったので、帰りの車には乗らずに先に帰ってもらいました。するとスタッフの1人の方と今日の宿泊客の女性の1人も残って泳いでいて、その後みんなで夜道を歩いて帰ることに。

ちなみにそのときのタイムラプスはこれ。

帰り道ではホタルなんかも見れて、スタッフさんとも、その女性ともたくさん話せて、僕が氷目当てでゆんたくに出たことなんかもカミングアウトしてw とてもいい時間になりました。

このあと数カ月後に僕はまたジュテームに行くのですが、そのときに聞いた話では、そのスタッフさんはそのカミングアウトが面白すぎて、僕のことをがっつりおぼえていてくれたそうです。話してみるもんですねw

宿につく前にスタッフさんがご飯を食べに行くというのでご一緒することにして、またたるりやに。

注文しようとしたらご主人がなんと昼間に会ったことを今度はおぼえていて、

「あれ?あんた昼間にあったねえ?」
「はい、安里屋クヤマの墓のところで会いました」
「なんであんなとこにいたの」
「あそこの景色が好きなんですよ」

ここでご主人のテンションがあがって

「そう!そうなの!あそこはいいところよ」

ということで、一気にご主人の心象がアップ。

ご飯のときの飲み物として烏龍茶を頼むと、

「あれ!あんた飲まないのね?!」
「はい、お酒飲めないんですよ」
「残念ねえ、安里屋クヤマの墓の話しながら飲みたかったのにねえ」

なんてくらいにお気に入られ、結果昼間にお声がけしてよかった感じになりました。声かけてみるもんですね。

さて、ゆっくりご飯を食べて宿に戻るとゆんたくがすでに始まっていて、正式に本日の宿泊の方々とご挨拶しました。

やっぱり今日の宿泊は僕と一人旅の女性3人でしたが、結局はみんな話しやすくて、ゆんたく終わりにはみんな仲良くなっていました。

その日は星がとても綺麗で、このまま散歩に出て星を見ない?という話になって、みんなで近くの街灯のないところまで行って星を眺めました。

ちょうど月も出ていなかったからかこの日の星は本当にすごくて、天の川が肉眼で普通にキレイに見えて、みんなですごいすごいと声を上げながら見ていたら、スタッフさんから

「西桟橋いってみる?」

との提案があり、皆テンションが上がっていたので行こう行こうという話になって、そのまま西桟橋に歩いていきました。

そのとき西桟橋で見た星空は、星空がキレイだったことと、そのときのテンションと相まって、たぶん一生忘れることないんじゃないかとさえ思えます。

今回ちゃんとした三脚をもってきていなかったのでアクションカメラ用のゴリラポッドでなんとか写真撮ってみたのですが、三脚が云々に加えて設定とか、レンズの画角とか色んなことがだめだめで、その星空を僕はちゃんと写真におさめることができませんでした。

出来は悪いけどかろうじてそれでもまだマシな二枚を、自戒も込めて載せておきます。

写真の出来は本当にだめだけど、空がキレイだったことはこれで十分伝わるかなと思います。

今思えばこれピントさえ合って無くて、ほんとに悔やまれる一枚でした…

このあと宿に戻って就寝となりましたが、寝る前にスタッフさんの1人が明日は休みとのことで、一緒にビーチに行きませんかとのお誘いをいただきました。明日はここにいる全員がチェックアウトですが、その前に車でささっと連れて行ってくれるみたいです。

もちろんお願いして、この日は全員就寝です。